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Re:BAD TASTE♥

管理人が気ままに綴っていくお気楽ブログ。閑古鳥の巣。

なんとなく思い出した

昔、高校生の頃だったかと思いますが、今野圓輔という方の「日本怪談集・妖怪編」という社会思想社の文庫本に出会いました。
本屋の店にあったのをペラペラ立ち読みして、なんか創作に使えそうだなーと(その頃から下手の横好きで色々やっておりました)思ってなんとなく購入したのですが、これが読んでみるとすこぶる面白かったのです。

著者の今野圓輔という方は新聞記者でもあり民俗学者でもあった方だそうです。
本の内容といえば、新聞・雑誌に掲載された記事や各地の昔話や民話、回顧録などのメディアから、妖怪に関するものをつぶさに調査し、抜き出してまとめたものです。
新聞記者という仕事の特性を活かしたとも言える労作で、とても興味深い内容になっていました。
妖怪变化に関する創作をされる方には、ぜひ一度目を通しておいていただきたい本と言えます。

本の出版自体が古いですし(著者の今野さんは1982年に亡くなられています)、版元の社会思想社が結構昔に倒産してしまったうえ、2000年代初めに再販されたものも今では絶版となっているようなので、残念ながら今では古本でしか手に入れられません。
でもAmazonなどでは結構普通に売られているようですし、ちょこっと調べてみたら電子書籍もあるようですので、手に入れられる奇怪は多いと思われますし、たとえ簡単に巡り会えなくても、苦労して手に入れるだけの価値はあります。
妖怪などにご興味のあられる方には、ぜひご一読をおすすめします。



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読んでいる本

先日Amazonで購入したこの古本を、今読んでいるところです。

hon.jpg

*藤沢美雄 「岩手の妖怪物語」(トリョーコム)
元々僕は妖怪好きですので(水木しげる画伯の影響です)、郷土資料的な意味で購入してみたのですが、内容はまったくの肩すかしでした。
色々な短い挿話がまとめられているのですが、一応岩手各地の地名が出てくるためそこで起こったお話という体裁をとってはいるのでしょうが、出典の明記がまったくないため、作者の創作にしか思えません。
かなりがっかりしました。

*キース・ローマー 「突撃!かぶと虫部隊」(ハヤカワ文庫)
軽快なストーリーテラーとして名前の知られるキース・ローマーのSF古典とも言える作品です。
昆虫の星に地球の領事として赴任した地球人が、自由と平和のために良い昆虫軍団を率いて、圧政を布こうとする悪い昆虫軍団に立ち向かうという感じの物語で、これはまだ読みかけなんですけどなかなか面白いです。
昆虫軍団が、かぶと虫なのですが身体が鉄で出来ていて、脚も車輪になっているとか、そこに色々なアクセサリーを付けるのがおしゃれだとか、設定が実にユニークです。
ちょっと「ダンバイン」のオーラバトラーを彷彿とさせる部分もあります。
今のSFは読んだことがないのでわからないのですが、昔のSFには良作がたくさんありましたね。



黒の碑

風邪で臥せっている間に、病床でハワードの「黒の碑」を読みました。



「蛮勇コナン」などの小説で有名な20世紀初頭の作家ロバート・E・ハワードが書いた作品です。
ハワードはほぼ同世代の小説家ラヴクラフトと親交があり、その関係からかクトゥルフ神話に類した怪奇短編や詩をを何作か書いていますが、この本はそれらを集めて収録した全13篇からなる短編集です。

感想の方ですが、Amazonのレビューには好意的なものが載せられておりますけれども、僕としてははっきり言って期待したほどではなかったというのが正直なところです。
もちろんハワードは実力のない作家などでは断じてないので(だとしたらコナンやキング・カルなどは現在まで生き残っていないでしょう)、つまらないということはないのですが、それでも面白いというわけでもない。
本当に微妙なのです。
思うに、ハワードはクトゥルフ系の怪奇小説には向かない作家だったのではないでしょうか。
文章は不慣れなクトゥルフ神話をラヴクラフトに倣おうとしてか、躊躇しつつ手探りで書き進めているかのような感があり、コナンに見られたようなのびのびとして、自由な筆勢がどうも感じられないのです。
物語も、事件が何の解決もなく主人公の自決や闇への逃避などで終わるラヴクラフトの陰鬱としたものとは異なり、人間が自力で解決してしまったりして(しかも意外にサラッと)、ラヴクラフトが描こうとした
「人間の力では及びの付かない、また人間の思考ではまったく理解できない宇宙的恐怖」
を描き出すには至っていません。

巻末の解説などには、表題作の「黒の碑」を最高峰だなどと褒めそやしていましたが、僕にはラヴクラフトの「クトゥルフの呼び声」の焼き直しにしか思えず、大いに興ざめでした。
ただ、それではこの本に収められているのはすべからくダメなものかといえば、そうではありません。
古代の戦士が巨大な蛆のような怪物に立ち向かう「妖蛆の谷」や、なんとあのコナンが登場する「闇の種族」などには、ハワードの持ち味である勇壮かつ豪快な筆致を垣間見ることが出来、筆者もノリにノッて書いていることが伺われます。
これらは単に冒険ファンタジー小説として面白い作品です。
また幽霊屋敷の怪を描く「獣の影」や、年を取らない不思議な老人に纏わる「老ガーフィールドの心臓」、スティーブン・キングが「20世紀最高の怪奇短編」と評した「鳩は地獄から来る」などは、普通に怪奇小説の古典として楽しめる出来になっています。

ただ、すべての作品について言えるのは、「クトゥルフ神話」としての出来の良し悪しこそあれども、決してつまらない小説というわけではないということです。
「クトゥルフ神話譚」と思って読むから違和感を感じるのであり、普通に「怪奇小説」だと思って読めばそうでもないということですね。
訳文のマズさもあっておそらく好き嫌いがはっきりと別れるため、クトゥルフファンにはちょっとおすすめはしかねますが、コナンのファンやハワードのファン、怪奇小説愛好家の方は抑えておいて間違いない一冊ではあるような気がします。

迷走大将上杉謙信

やあどうも、少し更新サボってしまって申し訳ない。
このところ暑さがいや増しに増したせいか身体を壊し、寝ておりました。
病院へ行ったら、持病のこともあって胃腸が弱ってるとかいわれて、整腸剤とか沢山出されてしまいました。
暑いから熱中症がと言って水をたくさん飲んだりするともともと丈夫じゃない胃腸がやられる、でも飲まないとどうにも…という悪循環。
7月でこれですから、暑さ本番の8月9月になったらどうなってしまうのでしょうか。
なんとも困ったものです。

さて具合悪くて寝てる間に、小松重男の「迷走大将 上杉謙信」という小説を読みました。



上杉謙信といえば、戦国武将の中では織田信長や武田信玄など有名どころの武将と並んで、非常に人気が高い人です。
そして戦争が上手で、局地戦ならほぼ負け知らずだったという戦術家として大いに優れた軍人でもあり、今は歴史好きの人たちの間では「軍神」などともてはやされている人ですが、実際はどうだったんでしょうか。
この小説では、そうした半ば伝説化された名将に描かれていないのが面白いところです。

現代に伝わっている謙信の資料をお医者さんに見せると、声を揃えて「糖尿病、高血圧、アル中、躁鬱症、統合失調症」などのたくさんの持病持ちだったのではないか、という応えが返ってくるそうです。
上杉謙信、病気のデパートですね(^^;)。
確かにこの人の一代記を色々読んでいると、その分析にいちいちうなずける部分が多く、同じような病気を持っているおっさんとしては(^^;)謙信も大変だったんだなぁと妙に同情してしまいますねw
この小説はその診断に基づいて「名将」ではない「人間」としての謙信像が描かれています。
最初のうちは、タイトルに有る「迷走大将」の欠片もないほどの謙信ですが、歳を重ねるに従って、元々の几帳面で臆病な性格と「戦国に生きる地方領主」という生活環境に葛藤を覚えるようになり、その救いを仏教へ求めるようになっていってさらに面倒なことになっていき、20の半ばを過ぎた辺りから「迷走」が始まります。
死の間際はまさしくタイトルにふさわしいボンクラぶりで、しかもトイレでうんこしている間に卒中で急死というなんともトホホな「迷走大将」ぶりを見せてくれます。

しかし、それが読んでいて嫌味ではない。
謙信を貶めようとして描かれていない、逆に彼に対する深い愛情が伝わってくるのです。
もちろん謙信ファンの中には、なんだこれはと激怒する人もいるかもしれませんが、謙信という人間の人となり、その性格の成り立ちなどをいちいち丁寧に綴っていくため、同情こそすれ嫌悪感を感じないのです。
こいつホントにどうしようもない奴だなあとか思いながらも、憎めない、嫌いになれない人間っているじゃないですか。
ああいうう風に謙信が見えてきて、軍神という高い地位に祭り上げられちゃった上杉謙信をもう一度人間として我々の傍に連れてきてくれるんですね。
これは作者の、肩肘張らずに簡体な、そしてどこか皮肉とユーモアを効かせた洒脱な文体に依る部分も大きいと思いますが、読み終えてそういう気になりました。
戦国時代とか、上杉謙信が好きで、最近人気のあるかっこいい軍神よりも、愛すべきダメ人間・上杉謙信を知りたいという方にはぜひおすすめします。



未確認でもUMAではない

最近、先日もご紹介した歴史考証家の笹間良彦さんの著作「日本未確認生物辞典」という本を購入した。




タイトルに「未確認生物」とあるので、てっきり未確認生物=UMAの本だと購入する前は思い込んでいたのだが、手元に届いて読んでみたら、驚いた。

未確認動物の本じゃなくて、妖怪の本だった(^^;)。

いや、表紙が天狗と剣術の稽古をする牛若丸の浮世絵だから、なんとなく普通のUMA本じゃないんだろうなぁ、と薄々思ってはいたのだが、まさか単なる「妖怪辞典」だとは思いもよらなかったw
しかも帯に水木しげる画伯の推薦文まで載ってるんですよねw
実吉達郎先生の著作のような真剣な(?)UMA本だと思えば確実に肩透かしを食うことは間違いない本なのだ。
世のUMAファンにとってはがっかりすること必至。

しかし、それではこの本が面白く無いのかといえば、実はそうでもない。
天狗、鬼、河童など、「実在する」と昔の人々が感じていた妖怪を系統立てて紹介し、日本や中国の古文書からの引用や(ちゃんと現代語に訳してくれているので助かる)、浮世絵などの図版を乗せ、少々堅苦しくはあるが興味を持てる内容にしあげてある。
ただ研究本というよりはタイトル通りの「辞典」に近く、妖怪はあくまでも紹介程度に留め、それらに関する現代的あるいは民俗的な考察等はほとんど記されていない。
もっとも、辞典とか言う割には、掲載順があいうえお順になってないのでw、本物の辞典としてはつかえないのだが…。
まあそれはさておき、だからと言って水木しげる画伯の「妖怪なんでも入門」などのようにちょろっとした紹介とイラストを見せておしまいです、という感じではなく(いや、アレはアレで初心者の入門用には良く出来ているのですが)、ちゃんと掘り下げた紹介になっているので、その辺りが妖怪好きにはまた嬉しく興味深い部分だろう。

個人的な話をすれば、、今まで天狗に女性はいないのだろうかとか思ったことがある。
鬼や河童などに女性はいるのだが、天狗では聞いたこともない。
天狗のイメージは修験者や山伏から来ているので、生理がある女性は山に入ることが出来なかったから、女天狗というものはおそらくいないのだろうと思い込んでいた。
実際にそれを示すような資料にお目にかかったことはなかった。
まあ某格闘ゲームにすこぶる美人の女天狗が出ているのを知り、ははぁこういうアレンジもなるのか、でもこれ女天狗じゃなくてただ背中に羽はやした大女だろ、リアリティがいまいちだよなぁ、実際の女の天狗はどんなもんなんだろう?とか思って、個人的に大きな謎だったのだが、古文献には女の天狗について記されてあるものもあるようで、この本にはそれがしっかりと「女天狗」という項目において紹介されていた。
妖怪好きでは人後に落ちないつもりだったんだが、新鮮な驚きを感じた。
読み進めていくうちに、そういう新しい発見があって、少し深い興味をもつ妖怪好きには読むのが楽しい本ではないだろうかと思います。
古本なら安く買えるのでお勧めです。

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新田佳奈

Author:新田佳奈
ハンドルネーム:BAD
別名「新田佳奈」。
「にったかな」、ではなく「しんだかな」と読んでください。
岩手県盛岡市在住。

一次創作でイラストや小説を作っています。
最近はIllusionのHゲーム「ハニーセレクト」でキャラクターを作ったり、スクリーンショットを撮って遊ぶことが多いです。
ただし大したものは撮れませんが…(^^;)。

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