2015-12-30 23:04 | カテゴリ:雑記その他
 とうとう2015年も明日を残すだけとなりました。
 皆様いかがお過ごしでしょうか。
 わたしは色々なDVDを見まくって「一人年忘れ映画大会」を開催しております。
 本日はAmazonの投げ売りで手に入れたホラー映画のDVD「プロフェシー/恐怖の予言」を鑑賞。



 この映画は例によって古い映画で、製作年代は1979年。
 いや、70年代から90年位にかけての古いホラー映画って好きなんですよ。一番ホラーやアクション映画(ただしB級の)が輝いていた年代じゃないでしょうか。
 さてこの映画はその中でもあまり知名度は高くないと思われるB級作品なのですが、あにはからんや監督は「フレンチ・コネクション」や「RONIN」などのアクションやサスペンス映画の鬼才として名高いジョン・フランケンハイマーなのです。
 かのフランケンハイマーがこういう映画を撮っているとは思わなかったので、少し驚きました。

 物語は、都会の医師夫婦がメイン州の広大な森林へやって来るところから始まります。
 とはいえ、なにもレジャーに訪れたというわけではなく、なんかよくわからないですが、友人の依頼によって森の土壌を調べに来たのです。
 この森というのが、土地を購入した製紙会社と森林を生活の場所としているインディアンとの間での対立の場所になっています。
 インディアンたちは製紙会社が毒を森に流したといい、製紙会社はそんな事はしないと水掛け論を展開し、お互いにいがみ合うので、医師は対応に苦慮します。
 ところがそれと時を同じくして、森で殺人事件が頻発し始める…というようなものです。

 おもいっきりネタバレしますと(というか、この映画レビューはそういうことに注意を払いませんね。申し訳ない)、この事件を起こしているのが怪物です。
 怪物化の理由は公害…製紙会社が木材の漂白に使っていたメチル水銀とか言うやつで、日本の水俣病の原因になったもののようですが、それが森に隣接する川に流れ込んでいるということになっています。
 まあそんなわけなので、ホラーといえばホラーなのですが、分類としては当時流行していた「ジョーズ」の亜流として制作された一連の「巨大動物パニック物」の流れを汲んでおり、また当時の世相を反映してか、自然に対して公害がもたらす影響(もちろんかなりオーバーなものになっていますが)と、それに為す術のない人間の姿を描くもので、このあたりはフランケンハイマー的などこか社会派的な匂いが、そこはかとなくですがしないでもありません。

 …しかしそれで面白い映画たりえるかといえば、この映画のタイトルがそれほど有名ではないという部分からでも皆さんお分かりのように、あまり面白いものでもないというのがなんとも悲しいところ。
 スリリングなアクション映画を得意とするフランケンハイマーも、畑違いのモンスター映画には辣腕を振るうべくもなかったというところでしょうか。
 本人もこれに懲りたらしく、これ以降はこの手のジャンルの映画を撮っていないようです。

 ただ、流石フランケンハイマーというべきななんというべきか、物語は破綻を見せずに進んでいきます。
 ストーリーの展開はアライグマの凶暴化、巨大な鮭にオタマジャクシの捕獲、製紙工場の見学(紙を作る工程が解ってためになるw)、奇形の子熊発見、本命の化け物熊登場…というようにきちんと順を追って表現されているので、「なんでこうなったんだ?」というたぐいの疑問はとりあえず生じません。
 この辺はさすがに手堅い作と言えましょうが、しかし何度も言うようにそれで面白いのかと言ったらあまり面白くない…その展開が随分説明臭く(山小屋で主人公の医師が医学書の朗読をテープレコーダーに吹き込むシーンなどにそれが顕著)、スリリングじゃないんですよね。
 そもそも、冒頭で小児科が専門らしい描写があった主人公の医者を、環境省の友人が調査員として雇ってメイン州まで赴かせるというのが少々無理がある気がします。
 まあ、この主人公が小児科医というあたりが物語の中で生かされている部分もあるにはあるのですが、土壌だとか生物の調査だとか言うのであれば、医者よりも科学者を送り込むのが自然じゃないのかなどと思ってしまいました。
 筋書き上、どうしても医者を出したかったのでしょうねw
 それに「フレンチ・コネクション」なんかにあった突っ走るような勢いが全く感じられませんでした。
 まあ、畑違いのジャンルですし、アクションとホラーに同じ要素を望んでいるわけではありませんが、手堅いながらも冗長な展開と演出が数多く(よくある出るぞ出るぞと思わせといて出ない、その逆に出ないと思わせておいて出た―っとなるアレです)、見ていて多少イライラする部分もチラホラ。怪物に襲われてテントのトンネルに姿を潜めるシーンや、オンボロ車で山道を走るシーンとかがそれですが、やたら長回しで見せる割には取り立てて緊張感も感じなかったし。
 逆に最終盤の山小屋に籠城するシーンは展開があまりにも早すぎて失笑が漏れました。

 あとは主役とも言える怪物の造形がなんともちゃちすぎるのが困りモノ。
 Amazonなんかのレビューでは「トラウマもの」「小さい子供には見せない方がいい」とか書いている人が多いみたいですが、僕は逆に白けました。
 はっきり言ってトラウマになるほどリアルではないし、奇形熊の子熊なんかのプロップもいかにも作り物感が丸出しで、当時の特撮技術としても決して高い水準の出来栄えとはいえないと思います。
 それにルックス以前に、この怪物には全く生物らしいリアルさがあまりにも希薄です。
 これには作り物感が丸出しという意味もありますが、生き物らしい自然な行動や動作がまったくなってないという意味もあります。
モンスターと言っても、元は熊のはずなのに、二本足でのしのしと立って歩いて襲ってくるなど、まるでゴジラみたいなシルエットなので笑ってしましました。
 普段はちゃんと四本足で走って追いかけてきて、襲う瞬間だけ立ち上がるとか、そういう「熊」としての生態に基づいた部分にもっと気を使えばそれらしく見えるはずなんですが、どういうわけかそれをしていない。
 まあ着ぐるみは四本足だと歩きにくい(人間は身体の構造上、四つん這いになるには膝を折らなきゃならないので、動物のような四足歩行にばってしまうので、ボロが出がち)などかの問題もあったのではないかと思いますが、そういう部分にリアルさを出してこそ、怪物に対する恐怖も募っていくだろうと思うのですが。

 この怪物を退治する方法もまた、何のひねりもなくて素敵ですw
 主人公が怪物熊にベア・ハッグされるのですが(他の登場人物は腕でボカッと殴られてギャーとか言ってふっとばされて死んじゃうのに、何故か主役だけ抱え上げられる)、手に持った弓矢の矢をもってして怪物熊の顔とか首をブスブスめった刺しにするんですが、それで熊が死んじゃうのw
 …なんなの?この矢には毒でも塗ってあったの?
 うーん、アレか、あやはり目玉を刺されたのが効いたのか?
 途中で小屋の壁にかけてあるライフル(ウィンチェスター銃)を取って弾を込めようとしたら、弾の箱にたった2発しか入ってなくてガーン!ってなるシーンが有ったので、銃でズドンとか、爆弾でドカーン!とか出来ないというのは分かるんですが…もうちょっと捻って欲しかったです。
 全部事件解決だとか思ったら新たな怪物熊が出てきてENDとかいうラストも、怪物映画のラストを踏襲しているとは言っても、全くカタルシスが感じられないのでなんともモヤモヤしました。
 
この映画も先日レビューした「ブレーダーズ」と一緒で鼻くそほじりながら見る映画の類ですねぇ…。
Amazonのレビューではやたらと星5つが並んでいたのでもっと面白いのかと思っていたんですが、なんとも残念でありました。

 
関連記事
スポンサーサイト

管理者のみに表示する

トラックバックURL
→http://newbadtaste.blog.fc2.com/tb.php/1054-2b941343