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管理人が気ままに綴っていくお気楽ブログ。閑古鳥の巣。

超時空映画館12

毎日暑くて暑くてもう死にそうです。
学校はとりあえず冷房を効かせてはいるものの、冷え性の女性がいるということと節電対策で気温をなかなか下げないので、パソコンの熱気もあってかなり暑いのです。
しかし今は本当に梅雨なのか?もしかしたら、もう夏じゃないのかな。
いつの間にか梅雨明けてました~(テヘペロ☆)ってことにならなきゃいいけど。

さて今日も実に平和な一日で、劇的な出来事はありませんでした。
そこでこれです、「超時空映画館12」。
そろそろネタが尽きてきましたが、くじけませんw

今日のお題「ディレンジド 人肉工房(アメリカ 1988年)」


(中古ビデオですらこの値段!手を出さないほうがいいかもしれません)

<あらすじ>
 
ウィスコンシン州の片田舎に母親と二人で暮らしていた農民エズラ・コブは、狂信的なクリスチャンの母親に極端な育てられ方をされたため、40を過ぎても独身で超がつくほどのマザコンだった。その母親が病で亡くなるとエズラは精神に異常をきたし、墓を発き母親の死体を自宅に持ち帰る。その後、墓荒らしを繰り返して母親の死体を修復する「部品」を収集するようになった彼の行動は、抑圧されてきた性的衝動に駆られて、さらにエスカレートしていく。

<感想>

アメリカの犯罪史上まれに見る異常な連続殺人犯「プレーンフィールドの屠殺者」エドワード・ゲインが引き起こした一連の事件を題材に取った映画です。

ゲインの事件についてご存じない方はぐぐっていただけると、詳細を記したサイトがそれこそ星の数ほどヒットすると思いますから、ここで詳細を書くのはやめにしておきますが、平たく言うと「狂信者の母親に育てられた超マザコンのオッサンが、母親に似た女性を殺してその死体を解体し、ミイラなどにして保管していた(その一部は料理して食べたとの噂もある)」という事件です。
ゲインは女性を殺しただけでなく墓荒らしの常習者でもあり、死体を解体してその骨からスープ皿や椅子など家具や太鼓などの楽器を作っていたりもしました。
ゲイン事件に題を取ったホラーにはロバート・ブロックとヒッチコックのタッグによる名作「サイコ」や、以前この日記でも紹介したトビー・フーバーの「悪魔にいけにえ」、近年のサイコキラー作品の走りとなった「羊たちの沈黙」などがありますが、この「ディレンジド」もそんな映画のひとつです。

ただし、「サイコ」や「悪魔のいけにえ」などがゲイン事件にヒントを得た架空の物語を描いているのに対し、この「ディレンジド」はこの事件を多少脚色を加えながらも事件を出来るだけ忠実になぞった形で撮影されています。
監督は「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド~ゾンビの誕生~」の素人フォロワーとして名高い「死体と遊ぶな子供たち」を撮ったアラン・オームズビーとジェフ・ギレンの二人です。本来はこれに、やはり「死体と~」のボブ・クラークが加わっていたようですが、彼はのちに契約トラブルでクレジットから名前を外されてしまったとか。 
また、この映画は約20万ドルという破格の低予算で撮影されたものらしいのですが、特殊メイクを僕がかつて神と崇めたトム・サヴィーニ(ただしほぼ無名時代らしいですが)が務めているなど、ホラー映画ファンとしては興味深い作品になっていると思います。
ところが、この映画は様々なトラブルに見舞われた曰くつきの映画としても有名で、製作者のジョン・カー(幼少期にゲイン事件を知って衝撃を受け、この映画を製作しようと思ったとか)が映画公開直後に失踪したり、映画のマスターフィルムが紛失してしまうなどの災難に見舞われました。製作されてから20年後の1994年になってようやくフィルムが発見され公開に至ったという、そういう意味でまさに「呪われた」映画といえましょう。

で、その内容のほうなのですが、まず映画自体の内容がどうのこうのという以前に、映画の状態が凄く悪いのです。長い間フィルムが紛失していたという事情が大きく影響しているのでしょうが、とにかく画像の状態が悪い。フィルムの傷やシワから来るものと思われるノイズやシミなどが頻繁に入り(特に映画の中盤から終盤にかけてがひどい)、音声もそれに伴ってくぐもったり飛んだりして、非常に鑑賞し辛い。
映像自体にそういう欠点があるわけですが、映画の内容としては意外によく出来ています。まあ、所詮はB級の映画な訳ですので、過度な期待は禁物ですが。

低予算ということもあって、セット(セットというか、たぶん本当にそこらのド田舎に行って農家を借りていると思います。セットを組んだらしい教会のシーンが凄くチャチで笑えました)やその他の、様々な面でチープさが非常に目立つのですが、それがまた不思議にいい感じ。
もともとゲイン事件自体が、ウィスコンシン州のプレーンフィールド(何にもない場所という意味)という物凄い田舎でひっそりと起こった事件なので、事件の詳細を知るものにとってはうらぶれた雰囲気がとてもよくマッチしているような、そんな印象を受けるのかもしれません。

お話の舞台はほとんど町の中に限定されています。登場人物もエズラ・コブ(ゲイン)を含めて隣人の一家、保安官など10人にも満たない。そこがまたいかにも低予算的な印象なんですが、本当に事件に沿った物語の展開なのでこれでも別に違和感はありません。
金がない割に特殊メイクも頑張っています。エズラが埋葬されたばかりの老婆の墓を発いて、頭をのこぎりで挽き、髪を掴んでパカッと開くシーンとかはなかなかグロく、よくできています。そのあと脳みそをスプーンでほじったりするんですが、味噌みたいなゼラチンみたいな質感がよく表現されておりました。
いや~さすがサヴィーニの仕事です。ただし、鮮血滴るようなグロい見せ場というのはここでおしまいです。あとはほとんど出てきません。
ラスト、殺した女の子(昔風のティーンエイジャーで、けっこうかわいい)を逆さ吊りにして内蔵を抜く描写も傷口そのものは描写せず、血のりで誤魔化す有様。予算はバアサンの脳みそで使い切ってしまったのでしょうか。

エズラが掘り返した死体を加工して作った太鼓やマスク、それにミイラ(剥製?)などを見せるシーンはありますが、結構さらっと見せていてあまりグロテスクな印象はありません。しかしながら、それらのコレクションに彩られた部屋の中、人面マスクを被り、人革エプロンをつけたエズラが、人骨で作った撥をもって人革太鼓を叩いて大声で歌を唄うシーンは、紛れもない狂気と不気味さ、そして不快感が濃厚に漂っています。これはエズラ役を演じた俳優ロバーツ・ブロッサムの熱演によるものと思います。
ブロッサムは全編に渡って「極端なマザコンで人付き合いが苦手、いつもへらへら薄笑いを浮かべるおとなしい男」というエズラ・コブ=エド・ゲインを見事に演じています。まさしく本物もかくやと思われる名演です。いや、本当にゲインを見ているように思えるのですよ。
他の登場人物では最後までエズラを犯人と信じない(友情からということではなく、エズラが薄バカでそんな大それたことは出来ない人間だと思っているだけ)の隣人のオヤジや、最初にエズラに殺されるデブのオバハンなどがやたら印象的です。特にデブのオバハンは興奮してエズラにセックスを迫るなどやたらインパクトがあります。

ストーリーは前述のように事件に忠実に描かれていますが、事件の経緯自体は大分はしょってありますし、多少脚色もされています。エズラにセックスを迫って射殺されるデブのオバハンは実際の事件には登場しませんが、おそらく彼女はゲイン事件のあとゲインの恋人を名乗ってマスコミを煙に巻いた女性がモデルでしょう。
それ以外でエズラに殺される女性達は、実際は皆太った中年女性であったものを若くてスタイルのいい女性に変えてあります。この程度は可愛いものでしょう。なんだよ、と文句をいう猟奇好きのあなた、あなたは太ったオバハンの裸をスクリーンで見たいと思いますか?w少なくとも僕はゴメンですね。
雑貨屋のアルバイト店員が店においてあるライフルでエズラに撃たれるシーンと、トラックの荷台で息を吹き返して森の中を逃げ惑うシーンは安いながらも意外にサスペンスフルで、見ていてちょっとドキドキしました。
ただ、音楽はいけません。低予算で、はっきり言えば地味な映画ですから壮大な音楽などは必要ないとも思うのですが、この音楽はいけない。
エズラが狂信的なキリスト教徒であった母親に育てられ、その偏った養育法が事件の原因になっているわけですが、それを強調しようとしてか、音楽にはほとんど教会で使われているようなオルガン(エレクトーンか?)が使用されています。これがやたらチープなイメージで、映画の緊張感や迫力を削ぐことがしばしばです。この音楽だけはどうにかしてほしかったなあ。

さて、僕が鑑賞したDVDには、映画のモデルになったゲイン事件を追った短いドキュメンタリー番組が特典として付けられていました。
この番組はビデオの発売に合わせて制作されたもののようで、画像はほとんどがホームビデオのカメラとスチール写真によって構成されています。それゆえに映像は相当に荒く、ビデオカメラ映像独特の「ブ~ン」という低いノイズ音(ていうのかあれは…)が入っていたりと、大変見づらいものです。どことなく、一昔前のアメリカの裏ビデオを彷彿とさせますw
しかしながら、当時を知る生き残りの人々やゲインを起訴した検察官などにインタビューを行ったり、殺された女性達の死体写真、そして動くゲインの映像など貴重なものがてんこ盛りです。これは事件を深く知るためには絶好の資料と言えるでしょう。また,このドキュメントを先に見てから映画のほうを見ることで、より深く映画を理解できるようになると思います。

世間ではいろいろあって評判があまり芳しくない映画のようですが、僕に限って言うなら意外に楽しめた1本でした。
ゲイン事件など猟奇殺人鬼や犯罪に興味のある方には強くお薦めしたい1本です。と言っても、今ではお目にかかることすら難しい映画になってしまいましたが…。
ちなみに翻訳と字幕を担当しているのはパリ人肉事件を引き起こした文学者・佐川一政です(^^;)。


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別名「新田佳奈」。
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最近はIllusionのHゲーム「ハニーセレクト」でキャラクターを作ったり、スクリーンショットを撮って遊ぶことが多いです。
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