2015-05-17 23:59 | カテゴリ:雑記その他
いま刀剣何とかいうソーシャルゲームの影響で、刀剣がブームになっているそうだ。
僕はよくわからないのだけれども、何でも話を聞くと、そのゲームは名刀を美青年に擬人化したものだそうだ。
僕がこの前までやってた「御城プロジェクト」とか(終わってしまったが…)、大人気の「艦これ」などを刀剣に置き換えたもの…というところらしい。
主にこのゲームを支持しているのは若いお嬢さんたちらしいが、このブームに便乗する形で(便乗なんてあまりいい言葉ではないかな)、いわゆる名刀を所蔵している博物館や美術館が特別展示などをしているとのこと。
それが今大人気で、人出は引きも切らないそうだ。
先日も、東京国立博物館で展示されている三条小鍛冶の展示にマナーの悪い観覧客が詰めかけて大変だったという話がネットニュースを賑わせていた。

僕はもともと刀剣や武道が好きだし、自分でも刀振ってた過去があるので、それが昂じて今の商売に就いたという面がある。
その立場から言わせていただくと、動機はどうあれ、これを機会に日本刀という、日本を代表する工芸文化の世界に興味を持ち、深く学んでくれる人がこの中から出てくれれば、これまでは日本刀=単なる武器、凶器という色眼鏡で見られることの多かった誤解を解くきっかけになると思うし、単純に同好の士が増えるというのは嬉しいものだ。
それに、後世に貴重な日本刀を伝えていくという役割を、もしかしたら彼女ら(彼らもいるとおもうが)が担っていってくれるかもしれず、それを考えれば大変心強く、頼もしくも思う。
僕はもう歳なので(^^;)、今から勉強して一端の古物商になれたとしても、今後せいぜい生きて30年だろう。
それ以降のことを、彼女たちが受け継いでいってくれるかもしれないのだから。

でもちっとばかし、苦言を呈したい。
とはいえ、彼女たちのミーハーなきっかけに文句を言いたいわけでもないし、にわかファンだ!といじめつけたいわけでもない。
では何を言いたいのかというに、刀剣に興味を持ったのなら、美術館所蔵の名刀や、刀剣の入門書なんかに載っているような名刀ばかりではなく、もっと普通の刀剣にも目を向けてほしいということだ。
刀剣というのには出来不出来がある。
いわゆる名工とされる刀匠が造った刀でも、下作はあるし、まったく無名な刀匠が打った刀の中にも名刀に劣らぬ上作は存在する。
つまり、刀剣は一振り一振りが異なっているわけで、自分がどんな刀に出会えるのかは言ってみれば一期一会なのだ。
そのあたりに、面白さの一つがあると思う。
名刀ばかり見て満足してちゃもったいないですよ。
刀には制作された地方とか流派によっていろいろな特徴があり、奥が深いものだ。
名刀からクズ刀まで色々なものを見て、その辺りをもっと楽しんでほしいと思うのです。

なので、刀らぶ好きの方には、博物館だけではなく、街角にある骨董店とか、刀剣商を訪ねて欲しい。
礼儀正しく真摯な気持ちで、自分は刀剣の勉強がしたいといえば、きっと主人もいやとは言わないと思う。
さすればいろいろな刀に出会い、目にする機会が増え、さらに刀剣に対する興味や愛着が深まるはずだ。

まあ、こんなことを言ったところで、結局のところ実際に刀が好きなんじゃなくて、擬人化されたキャラクター自体が好きなだけという人もいるだろうから、どれだけの人が刀剣を好きになってくれているのかわからないが…。

なんか先輩風吹かしているようで少し申し訳ない気もするのだが、この道のちょっとだけ先達としては、そう思わないでもないのです。


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