2015-08-09 23:25 | カテゴリ:怪奇
毎日暑い日が続いておりますね。
暑い日には怪談だ!
というわけで怪談を語ろう。

おれが6年前まで住んでいた家の話をしよう。
おれの親父が中古住宅を購入したのは、今から15、6年くらい前だったように思う。
その家は盛岡市の郊外にあるデカイ家で、昔はヤクザの親分が住んでいたという話だった。
敷地もかなり広くて立派な庭もあり、なぜそんな家をヤクザが手放したのかといえば、ヤクザ稼業が儲からなくなって、破産したからだという話だった。
親父は仲介者かなんかがいてその家を手に入れららしいのだが、おれには正直その辺りの詳しい事情はわからない。
とにかく親父はその家を購入したのだが、その時は屋内がとにかくひどい状態だった。
家の中はボロボロで、凄く猫臭かった。
というのも、親分は猫好きで、25匹も飼ってたんだそうだ。壁や床はボロボロ、しかも猫の小便臭くてたまらない。
それだけならまだいいのだが、間取りが素人のおれたちが見ても明らかに変だった。
仏間と便所が繋がってたり、居間と風呂場が繋がってたり、家の真ん中に階段が設けてあったりする。
家相を見る母方の伯父貴に相談したところ、この家は最悪の家相なので、徹底的に手を入れたほうがいいと言われた。
そこでリフォームをしたわけだけれども、その時はどうせ全部作り直されるのだから、家相なんて深く考えずとも構わないだろうとあまり気にもしなかった。
それで大工が入り、半年くらい後に引き渡しとなり、おれたち一家はその家に引っ越した。

奇怪なことはその夜から起こり始めた。
おれの部屋は二階にあったんだが、深夜にそろそろ寝るかという時に、一階の座敷のほうから人の声がする。
人間が、それもおそらく女二人が座敷で何かを話している。
最初は聞き間違えだろうと思ったんだが、よくよく聞いてもやはり話し声なのだ。
何を話しているのかまでは聞き取れない、こそこそヒソヒソという感じだった。
泥棒でも入ったのかと思って木刀を片手に降りて行くと、座敷は真っ暗で誰も居ない。
電気をつけると、その声はピタッと止む。
おかしいな…と電気を消して自室に引き上げると、しばらくしてまた声がし始める。
三回くらい上がったりおりたりを繰り返して、座敷の隣に食堂兼台所があるんだが、おれはそこに少し留まって耳を澄ませていた。
やはり人の声がする…。
これはただの家ではないんじゃないかと思い始めたのはそれからだ。

おれの親父は神仏は信じるが、霊魂のたぐいは全く信じない人間だった。
親父に話し声の話をしたのだが、やはり全く信じない。
ところがその親父が、二階の寝室で寝るのを嫌がるようになり、一階の自分の書斎に布団を引いて寝ると言い出した。
もちろん書斎なので、もともと寝るように作られていない。
そんなところで寝ると言い出すので驚いた。
理由を聞くと、二階の寝室には幽霊が出ると青い顔で言う。
寝ていると、枕元に女が立つそうだ。
そして、幽霊が出ない時でも、その女を「殺す」夢を見るそうだ(殺される夢ではない)。
それはいつも同じ女だそうで、とても耐えられないと親父は言う。
それで親父は書斎に無理やり布団を敷いて寝始めた。
これはこの家を引っ越すことになる10年後まで変わらなかった。

(つづく)
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